【発車ベル】の音楽って誰が作ってるの!?

田舎の発車ベルというと、単純なベル音『トゥルルルルルル・・・』というのが、一般的ですが、東京や大阪を始めとする大都会ではそれぞれの鉄道で、また同じ路線でも駅によって少しずつ発車ベル音が違います。発車ベルにメロディーを導入したのは、1988年で、新宿駅と渋谷駅で初めて採用されました。もちろん、東京にだって単純なベル音もありますが、電気的なブザーで一音とは限りません。規模の大きい駅では複数の鉄道が重なり合っているため、ベル音やメロディー音を路線ごとに変えることで、混乱を避けているのです。

都内でも大規模な新宿駅についてお話しましょう。
新宿駅には地下鉄、私鉄、JR線、各上下線合わせて、20本の鉄道が通っています。なかでもよく耳にするポピュラーなベル音(メロディー音)といえば、JR山手線、中央線、総武線ではないでしょうか。それらのベル音はJR東日本で作られていると思われがちですが、一般企業が企画して作ったものをJR側が認可して使っているのです。前述の新宿・渋谷駅でベル音にメロディーを初めて導入したのがJR東日本です。当時は、サラリーマンのイライラを解消しようという試みで、(株)ヤマハが担当していました。前述の3本の線については(株)松下電気が一挙に請け負っており、(株)テイチクと企画会議を重ね、オリジナル曲を作り出しているのです。他の鉄道と、また外回り、内回りとの区別化も考慮しています。
現在JR東日本では、
一部の駅を除いてほぼ全駅がメロディー化されており、その種類は百曲を超えます。また、蒲田駅の「蒲田行進曲」や山形駅の「花笠音頭」をはじめ、地方色を生かしたメロディー音を導入している駅もあります。駅ごとのオリジナル曲は、地元やその駅で企画されることが多いようです。
メロディー音の変更周期については、
音自体が壊れたとき、つまり放送装置が古くなったときに装置ごと曲も変えます。およそ10年に一回周期です。また、それぞれの駅長が新しくなったときにも、駅長の意見で心機一転することもあるそうです。これからも参加企業は増えるだろうし、それによって時代や流行にのった音が使われるかもしれません。坂本龍一プロデュースのベル音とか、ユニークな企画が登場すれば楽しいですね。